久我城ぬいろ

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楽園

目が覚めたら、暗い場所にいた。
知らない場所だ。いや、そもそもさっきまでこんな所にはいなかったはずだ。
俺は死んだのだ。嫌でも覚えている。
頭から受けた衝撃と、鳴り響くあの音を。
だとしたら、ここは何だ。

『……やぁ、よく来たね』
背後から声が響く。
「誰だ」
『それは答えられないな。まぁ、君に次の行き先を伝えに来た者、という認識で構わない』
「何の話だ?」
突如、不思議な感覚に襲われた。
体が浮くような感覚。しかし、それでいて重い。

『君は死んだ、と思っているだろう。その通り、君は殺された……しかし、それは「作中」の中での話だ』
「待て、貴様は一体何だ!何をするつもりだ!」
『世界は繰り返すのさ。君も、ワタシもね』
意識が薄れていく。振り向いて見たのは、白髪の少女の姿。
『さて、次はどんなENDになるのかな』
その言葉を最後に、意識が途絶えた。

『────物語が繰り返せど、結末は近づいている。楽園はもうすぐさ』

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自創作 Fake File より

5/1/2024, 8:38:03 AM