白浅凪エツ

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【二人だけの秘密】※R-15くらい

 ううう……。
 教科書を読み上げる私の声は、若干震えていた。
 いつもならなんてことのない、周りの視線が今日は怖い。
 ひそひそと聞こえる声の全てが、いつもと違う私について話しているように思ってしまう。
 やっぱり、落ち着かない。
 これも全て、彼女が変なことを言い出したからだ。
 いや、それに乗っちゃう私も私なんだけど。
 ここまで落ち着けないとは思わなかった。

 今朝、私と彼女はいつもより2時間早く登校した。
 この時間の教室には誰もいない。
 朝練で来た生徒の制服やバッグがちらほら置いてある程度で、静寂を彩るのは、運動部の掛け声や吹奏楽部の演奏くらいなものだ。
「じゃ、脱ごっか」
 彼女が制服のボタンを外し始め、おそるおそる、私もそれに続く。
 はらりと、肌着まで脱ぎ終え、私達の上半身を包むものは、ついに下着だけになった。
 彼女は私を一瞥すると、いたずらっぽく微笑む。
 彼女は腰に手を当て、ダイナマイトボディという言葉がぴったりな肢体を見せびらかす。私も大概大きいとは言われてきたが、彼女の胸は規格外だ。悲鳴を上げていた上品な黒のブラは、既に彼女の机に置かれている。
「ふふふ。かわいいね。気合い入れてきちゃった?」
 教室のど真ん中で下着姿な事を意識させられた私は、思わず両手で胸を隠す。隠しきれないピンクのレースが、腕からはみ出てしまう。
「ほ……ほんとにこんなことするの……?」
 彼女しか見ていないとはいえ、私の頭は爆発寸前だった。
「もちろん。ほら、腕、拡げて」
 私が腕を拡げるのを確認すると、そっと彼女は、両手を私の背中に回し、
「脱がすよ」
 耳元で囁いた。
 ゾクッと背筋をくすぐられる感覚も束の間、そっと離れた彼女の手には、淡いピンクのブラがあった。
「ほら、〇〇も」
 彼女は片手で自分のブラを私に差し出す。
 そうして私達は、お互いのブラを着けた。
「やっぱり、大きい…」
 ブカブカだった。一回り違う。
 私は用意していたタオルで隙間を埋めた。
「〇〇も大きいとは思ってたけど、私ほどではないね」
 わかりきったことを。
 彼女は苦笑すると、ゴムバンドを取り出し、それでホックを繋ぐ。
 昨晩、彼女からされた秘密の提案は、下着の交換だった。
 誰にもバレない、でも、確かな秘密を、二人で楽しみたい。
 そんな彼女の要望を私は断れなかったのだ。

 読み終えた私は、震える手を抑えながら席についた。
「なんか今日の〇〇、胸デカくない?」
「そんなまさかー?」
 周りの囁く声が、私達だけの秘密を意識させる。
 遠くに座る彼女は、横目でニヤニヤと笑っていた。

5/3/2026, 2:18:31 PM