天使の輪を宿す白い髪
穢れを知らない青き瞳
純白のドレスに身を包む
字をなぞるその視線すら愛らしい
愛しい我が君
どうか
どうかそのままでいて
いつまでも
何も知らないままでいて
頑丈に閉められた窓
開くことのないレースのカーテン
日が差すことはない
まるで鳥籠
でもそれでいい
君の純白を守るため
外の奴らと君は違う
分かってる
分かっている筈なのに
時々、君が酷く穢れる夢を見る
『大丈夫だよ』
いつ何時も
君の声は美しい
悪夢なんて忘れてしまう程
僕の幸せは
今の君が成す全て
嗚呼
どうか
どうか
僕の理想の貴方でいて
どうかこの儘
「僕を幸せ者でいさせて」
鳥の想いも露知らず
何も知らないなんてどの口が
夢見る者に現実の声など届かない
どうか
どうかそのままでいて
いつまでも
其の儘夢に溺れていて
『一生、私を飼い慣らしていて』
今日も2人は
互いに理想を象り合う
2024/05/20【理想の貴方】
5/20/2024, 10:48:59 AM