「ごめんね」
今日でこの思いと強制的におさらばだ。
伝える気なんてなかったのに、泣きながら言葉を口にしていた。
明日から僕らはもう会うことはない。だから今日、きみを見送って僕の初恋は消化不良で僕の中でゆっくり溶かして消えて癒えるのを待つつもりだった。
なのに、きみが僕に笑いかけるから、きみが僕ともっとお話したかったなんて言うから。僕だってもっときみのそばにいたかった。
「きみが好きなんだ。迷惑なのもわかってる、でも、ごめんね。下心ありでそばにいてごめん。僕なんかが好きになって、ごめん」
きみの顔なんて見てられない。伝えてしまったしかも泣きながら謝りながら。そして僕は振られる。でもきっとこれはこれで良かったのかもしれない。振られてしまえば僕の中で消化不良にならずにすむ。
「ごめん……」
僕の恋はこの瞬間に終わった。
「めちゃくちゃ嬉しい」
と思った。
「お前がその色々抱えて覚悟を決めて告白してくれたのに、その嬉しくてニヤけて…いや、その、馬鹿にしてるとかじゃなくて…あぁ!もう!泣くなよ、俺もお前の事が好きなんだよ!!!」
「ちがっこれはっ嬉しくっ」
「はぁ〜それにしても俺たち両思いだったんだな…」
「そう、だったんだね」
「ずっとお前のこと見てたのにな、気づかなくてごめんな」
きみの色んな言葉が僕の中で消化不良になりそうなほど降ってきて僕は今胸焼けで笑っている。
5/29/2023, 11:18:55 PM