心の境界線
目が覚めると白い天井が写った。
それに加えて薬品の匂いも。
顔、腕、脚の火傷に乱雑に切られた髪の毛、
男達に無理やりやられた精器。
私はいまとてつもなく死んでしまいたい。
「コンコンコン」
ガラリと勢いよくドアを開けて入ってくる
保険委員の友人。
「包帯変えるよ。」と火傷をおった腕から包帯をとる。
ただれた皮膚も少し一緒に剥がれ、これまでにない激痛が全身にはしった。
私の子供のように泣き叫ぶ声、そして何も言わない友人。こいつは鬼なのか、?と思うほど無視を貫いて包帯を剥がす友人。包帯が剥がれたら遠慮もなく塗り薬を傷の奥、隅々まで満遍なく塗られた。
それはそれで焼かれたような激痛がはしった。
全身の包帯を変えた友人は「終わったよ。お疲れ様」と二カッと笑って出ていった。
あいつのことをこれまで以上に恨んだことはないぐらいあいつを恨んでいる。
出ていく際に「彼に会わなくていい?」と聞かれたが、こんな火傷まみれで、体の中も外も全部が汚い私を見せられるわけが無い。彼が褒めてくれて以来からずっと伸ばしている髪も、乱雑に切られて、彼以外にやられた精器もあるというのに会えるわけがないだろう。
この姿で彼にあったらどんな反応をするだろうか、。
心配、?それとも見捨てられるだろうか、
あぁやだな、。もっと彼と話したい、。触れたい。
神様はなんて酷いのだろう。
私が何をしたって言うのだ。
本当に神様がいるのなら、私を殺してくれ。
11/9/2025, 5:18:35 PM