繊維と繊維の間から 細く 細く 差し込んだ
灼熱の星が 幾重にも幾重にも薄くなって やっと届いた命の体温
その体温を受け取れるほど 僕の鼓動は暖かくないみたいだ
朝が来るのが怖いんだ
朝を知るのが怖いんだ
朝を見るのが怖いんだ
朝を生きるのが怖いんだ
こんなどうしようもない僕が あんな光に当たってしまったら その内溶けちゃうんじゃないかって 跡形もなく消えてしまうんじゃないかって
醜いですか わがままですか すがりついているのですか
生きたいのです 生きていたのです こんな僕でも生きていいと 生きることを望んでくれている人がいるのだと 信じられる日を待っていたのです
だから だからどうか
僕を溶かさないでくれませんか
見つけないでくれませんか
そっとしておいてくれませんか
遠目から眺めるだけにしておいてくれませんか
どうしようもなく目障りでも 無視してくれませんか
君の光に照らされてしまえば
僕はきっと溶けてしまう
きっと消えてしまう
きっと幸せを知ってしまう
きっと暖かさをこの身に宿してしまう
君に触れようと 近くにいようと きっとこの手を伸ばしてしまう
だから放って置いてください 僕を溶かそうとしないでください 光の暖かさを教えないでください 光の眩さを見せないでください
いつか 適当な幸せを見つけて 適当な人生を送って 身の丈にあってたって満足するから
朝を僕に与えないで
『君はまるで太陽のような』———【朝日の温もり】
6/9/2024, 10:16:22 AM