tsukiyuki

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「1人の夜に」


家族と暮らすと
1人の時間というものが
なかなか作りずらい
仮に部屋にいたとしても
生活音が聞こえてくるだけで
1人でないと思ってしまう


憂鬱だった
1人きりになりたい
何も考えず
ただ1人になりたい
ずっと思っていた


突然だった
一人暮らしになったのは


朝アラームで起きて
満員電車に揺られ
9時に業務が始まり
18時に終わると
帰りにスーパーに寄って
30%オフになった唐揚げと
ティッシュペーパーを買い
自宅に戻る


平日はこの繰り返し
休日も特にすることがなく
ベッドの上で 
淡々と動画を永遠と見る


憧れていた1人での暮らし
なんでだろう
心が空っぽな感じがするのは


母の作る豚汁が恋しい
父のうるさい笑い声が恋しい  
母のがさつに窓を閉める音が恋しい
父の買ってくるコンビニのお菓子が恋しい

ふと寂しくなって
気づけば涙が溢れた

部屋の片隅で
1人の夜に





2024/12/7 部屋の片隅で

12/8/2024, 10:16:03 AM