雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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―夜の海―

夜 夏の暑さで 目が覚めた
窓の外を見るに まだ夜
月のあかりは 雲の中
二度寝をする気さえも 起きず
気づくと 私は外に出ていた

ふらふらとした 足取りで
行先もなく ただ歩く

辿り着いた先は 夜の海辺
波の音だけが やけに大きく
私の耳を 突き抜けた

まだよろよろと 動く足は
波打ち際を 目指している

おいでおいでと 手招くように
私を惑わすさざ波の声と
砂を踏みしめて 動く足
不思議な力に導かれ
私の靴は 波に濡れた

どす黒く揺れる暗い海
どこまでも広く深い海

月がやっと顔を出す頃
私は夜の海の中に
私の全てを 投げ捨てた

朝日が目覚め 残ったのは

すっかり冷たくなった身体と
海が浄化した私のかけら

8/15/2023, 2:36:40 PM