ゆかぽんたす

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先月撮った前撮り写真がアルバムとなって完成した。キミは純白のAラインドレスを身に纏い、負けないくらいの白い肩を剥き出しにして微笑んでいた。
僕はと言うと、衣装を着ているというよりまるで服に着られているというような風体で。写真用の小道具のバルーンを握って、ぎこちない笑顔を浮かべていた。どのページを見てもキミは美しい。そして全て笑顔だった。反対に僕は相変わらずの硬い笑い方で佇んでいた。まぁもともと主役は女性の方なんだから別に良いのだけれど。綺麗なキミの隣に立つ男として、もう少しマシに映れなかったのかとは思う。慣れないことをするといつもこうだ。写真の中ではいっぱいいっぱいで満面の笑みになれなかったけれど、この時の僕は間違いなく幸せだったよ。それだけは信じてほしい。

何ページか捲っていると、教会の中のショットが出てきた。あの日は天気が最高に良くて、透けるステンドガラスも差し込む太陽の光も綺麗に映っていた。このショットはキミが特に気に入っていた。僕も好きだ。神聖な感じがして、特別感がさらに増すから。僕がひざまずいてキミに手を差し伸べるショットも、やっぱりがちがちな表情だった。ふんわり笑えるキミが羨ましいよ。結局、最後の最後まで僕はこんな感じか。だが最後のページを捲った時思わず手が止まった。最後の写真は、互いの額を合わせて見つめ合っていた。2人で向かい合わせになって笑っている。こんなのいつ撮ったか記憶にない。でもその写真の僕は、今までのものより比べ物にならないほど優しい表情で笑っていた。キミを近くに感じて安心しきっている顔。本当はこんなふうに笑えるんだと知る。こんなに幸せそうに笑う自分を見てると嬉しさと恥ずかしさが込み上げてきた。そして、この表情はキミの存在のお陰だと再確認する。だから僕も、これから先キミに沢山笑ってもらえるように頑張るからね。

どんな時でも、キミは僕が守るから。

8/26/2023, 3:05:09 AM