猫とモカチーノ

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「やばいやばい!遅刻しちゃう!!」

今日は最悪な日だ。

目覚ましをかけ忘れて寝坊するし。
トースターの調子が悪くて朝ごはんが食べれなかったし。
梅雨の湿気のせいで、いつもの巻き髪もできなかった。

散々な出来事に嫌になりつつも、なんとかダッシュで学校に向かっている。

「セーフ!」

始業のチャイムがなり終わる0.1秒前。
なんとか教室にたどり着く。

「なんだ、遅刻かー?」

と先生に茶化され、クラスメイトにも笑われ、本当に最悪だ。

「髪、括ってるの珍しいね」

ホームルームが終わった後、隣の席の合田くんがそう話しかけてきた。
実は密かに片想い中の男の子。

「あー、今日湿気やばくってさ、跳ねちゃうから結んだんだ。……変かな?」

「いや、すごく似合ってるよ」

「ほ、本当!?よかった〜!」

そんな一言で、朝の憂鬱すら吹っ飛んで、ハッピーになってしまう。

最悪な1日が、最高な1日になった瞬間だった。


お題『最悪』

6/6/2024, 1:15:44 PM