「あなたがいたから」
10000年くらい前に、安らかな永遠の眠りについたあなた。
712兆年くらい前に、ボクらを完成させてからも。
ずっと全てに尽くしてきた。
あなたがいたから、今ボクは存在できている。
あなたのおかげで、みんな穏やかに暮らせている。
でも、みんなはあなたがいたことすら忘れかけているんだ。
きっと今頃、あなたは向こう岸の世界で休んでいるだろうから、ボクの声なんか聞こえてもいないかもしれない。
それでも。ボクはこうやって時々、
あなたの部屋の奥に作ったあなたのお墓の前でお話をするんだ。
最近あったことや、新しい発見。
それから、美味しい食べ物やどこかで見た美しいもののこと。
他にも話したいことがたくさんあるよ!
話している間はなんとかその気持ちを紛らわせられるけれど、ふと静寂が訪れるとどうしても考えてしまう。
あなたと直接会ってお話ができたらなぁ、って。
あなたの膝の上で、笑顔を見たかったなぁ、とか。
みんなで集まって、また何かしたいなぁ、なんて。
ボクはずっと元気だよ。
でもやっぱり、あなたのことを思い出すと寂しくなるんだ。
……ごめんね。今度はもっと面白い話を持ってくるから、楽しみにしていてね!
それじゃ、また!
6/21/2024, 3:58:03 AM