"終わらない物語"
"終わらない物語"という言葉を考えていたら、
"一条(ひとくだり)の物語"という言葉が浮かんできた。
あまり使わない言い回しだから古典か近代文学辺りだと思うんだけど、読んだか聞いたかした話のタイトルが思い出せない。
いつしか自分自身がひとくだりの物語になっていた、みたいな感じの文章だった気がする。
今は凝った文章を書く人も多いから、意外と最近の作品なのかも。漫画や朗読の可能性も否定できない。
検索しても出てこないし、何だったかなぁ。
たまにこういう事がある。
なにかの拍子にふと言葉や音が浮かんできて、ひたすら頭の中をぐるぐる巡って占拠するから堪らない。
思い出すか、もう一度忘れるまでひたすらもどかしい思いをすることになる。
まぁこうやって考える機会があるなら、読み終えた物語であっても自分の中では終わらない物語と言えるのかもしれないな。
追記
思い出した。
泉鏡花『夜叉ヶ池』だ。
晃の台詞で、「ところが、自身…僕、そのものが一条の物語になった訳だ。(中略)…君もここへ来たばかりで、もの語の中の人になったろう…僕はもう一層、その上を、物語、そのものになったんだ。」
という文章があった。
文豪の作品は印象的な台詞回しが多くて、部分的にでも記憶に残るんだよな。
1/25/2025, 12:04:42 PM