伊藤透雪

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三日月/月と酒


夕暮れの陽が彼方に逝く前
三日月が残光を受けて残酷な目
で看取る
寒さが背筋を通って
両手の隙間から息が漏れるから
今夜は酒でも飲もう

暖かい部屋から窓越しに
月と酒を交わす
熱燗と湯豆腐で温める懐に
肴が落ちていくとき
彼は少しずつ上っていく

ほろ酔いのまま上る景色はどうだい
俺はまだ飲み足りないようだ
尤も明日は休日だから
炬燵に移って飲むのも良い
ひとり酒だ、誰に何を言われるでもなし

1/10/2026, 4:03:30 AM