『色とりどり』
いつだって僕の周り__学校とか道とか空とかはもちろん、宇宙にだって数えきれないほどの鮮やかな色が存在していて、僕がそれを手に取れば、その色は僕のものになり、僕の絵になるはずだ。
そして僕がより抜いて、混ぜて重ねて作品となった色は、同じく鮮やかな色で縁どった僕の瞳に、さぞ綺麗に映ることだろう。
そう思っていくら筆を動かしても、ついに僕がそれらの色を、大体の人が認識するのと同じかたちで感じることはなかった。
先天性の色覚異常。特定の色の違いが分からない。
赤や緑などの色が、別の色に見える。
その生まれ持った特性のせいで、僕は「色を認識する」という、憲法に並べるまでもなく与えられた権利を奪われたつもりでいる。
だから僕は絵を描いている。
色なんてものに囚われず、自分の思う形で。
どの学校でも散々言われてきた。
りんごは赤で、海は青。葉っぱは緑。
そんなことを誰が決めたのだろう。
青りんごは黄緑、夕方の海はオレンジ色、秋の葉っぱは茶色。
それにだって当てはまらなくて良い。
絵は成績をつけるものじゃない。
勉強や運動とは、やっぱり違う。
だから僕は、僕なりに確立した絵の描き方を守る。
型にはまったっていいが、はまらなくてもいい。
それが一番、丁度いいと思う。
1/8/2026, 11:01:50 AM