るに

Open App

少しの時間と
少しの荷物で
君と一緒に笑い合った日々。
この声はもう届かなくなるのでしょうか。
ほら見て、
あのパン屋さんでロールパンを買ったよね。
そうそう!
ロールパン専門のパン屋さん!
塩パンロールが美味しかったなぁ。
この木、
まだあったんだね。
一緒にどんぐり拾い競走したよね。
私は量より質にこだわって
綺麗なのばっかり集めてたけど
ぱって横見たら
君が両手いっぱいにどんぐり持ってて
面白かったなぁ。
君はここで初めて雪を見たんだよね。
何この白いの!
触っても死なない!?とか言いながら
既に触ってたんだよなぁ。
ね、次はどこに行こうか。
今にも冷たくなりそうな君の手を握る。
私の親友は
数年前から車椅子。
意識がほぼ無くて
原因が不明。
毎日のように笑いあった親友は
人形みたいになってしまった。
それでも私は声をかけ続ける。
ずっと
思い出の場所に一緒に行ったりして
意識がほぼ無くても
楽しんでもらえるようにしていた。
でも、
明日から病棟が移るらしく、
そこでは面会禁止だそう。
いつか
また元気に笑顔を見せてくれますように。
私は親友に
この言葉を贈った。
"Good Midnight!"
またロールパン専門のパン屋さん行こうね。

1/6/2025, 5:14:17 PM