喜楽ここあ

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叶わぬ夢(創作)

弁護士になった友人。
医者になった友人。
イラストレーターになった友人。
絵本作家になった友人。


私の周りにはどうしてこうも、才がある人ばかりなのか。そしてそういう道に行ける環境が整っている人も多かった。

私と言ったらどうだろう。
両親は早くに病気で亡くなり、長女と言うだけで、弟のために必死になって生きてきた。やっと落ち着いたと思ったら、もう40才近い年齢になっていた。

ずっと、モヤモヤとしたものが胸の真ん中にあったけれど、環境のせいではないのは分かっている。

ふぅとため息を吐きながら、リビングに腰を下ろしてテレビをつけた。内容をしっかり見てる訳では無いが、テレビをつけてるだけで少し安心感がある。

テレビに出ている人達にしても、医者や弁護士だって、そこにたどり着くまでに、相当勉強しただろうし、いろんな人から酷評を受けてもめげずに、絵を描き続けて頑張ってきたに違いない。

~なりたい自分になろうよ~

こんなフレーズのCMが流れ、10代くらいの女の子がジャンプをして、キラキラな笑顔を振りまいていた。まるで私に問いかけているように…。


「ん?…でも私って何になりたいんだっけ?」

目標もなかった。これがやりたいと言うことも無かった。ただ、生きるために仕事をして来ただけだった。

今からでも
夢は追いかけられるものだろうか?

やりたいことが見つかるのだろうか?

考えても浮かばない…。
思わず、笑みがこぼれる。
まずは、何かやりたいことが見つかるように、やっぱり明日も生きるために仕事をしよう。

3/18/2025, 7:17:04 AM