宮森マルメ

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 ボクは友達と歩いていると、友達とはぐれてしまった。ボクは泣きながら街を歩いていると、路地裏を抜けた先に賑やかな街並みが現れた。

 そこは妖怪の街らしく、最初は怖かったが、妖怪のみんなは優しく、ボクにオモチャやお菓子を与えてくれた。

 ボクは何日も妖怪の街で遊んだ後に気がついた。

「そろそろ帰らなきゃ」

 しかし、妖怪のみんなは言った。

「君をイジメる親、友達、学校の元になんて戻る必要はないよ。それにね、大人になったら、今度は社会が君をイジメるんだよ? 悪意のない善意で君をイジメるんだよ? そんな怖い人間社会なんて見捨てて、ここで一生過ごそうよ。それにね」

 と、妖怪のみんなが、ボクの顔を一斉に指さして口を釣り上げた。

「君はもう人間じゃないんだから」

 こうして、ボクは妖怪として、妖怪の街で一生楽しく過ごすのでした。

6/11/2024, 9:36:06 PM