短編小説書きたい人

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「私、もうすぐ天国に行くんだ」

「だから、絶対会いに来てね」

『…当たり前じゃん。何処にだって会いに行くよ』

「嬉しい」

満面の笑みを浮かべた君は

その2日後、予告通り天国に行った。

会いたい。抱きしめてあげたい。

そんな僕の思いは無残にも

この世界の重力によって叶うことはなかった。

どれだけ高い所から手を伸ばしても

どれだけ高く飛び跳ねても

天国には届かない。

僕はふと、下を見た。

……ああ、なんだ。そう言うことか。

上に行くには

下に落ちる必要がある。

この世界って理不尽。

…でもこれで、

ようやく、会いにいけるよ。


【高く高く】

10/14/2024, 10:22:14 AM