13分前

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「え?諦めちゃうの?」
「諦めるっていうか…好きだけど別に付き合いたいと思ってるわけじゃないというか…」
「うそ、僕だよ?」
「知ったや否や自信がすごいな。いや、そう、確かに先輩ですけど」
「ダメだよ、諦めないでよ。何で僕と付き合いたくないの?」
「ええ?何で…まあ憧れに近いところもありましたし、付き合えるとは思ってないのでそこまで想定していなかったというか…。…ああ、あと」
「あと?」
「私、告白されるのに憧れてるんです」
「えっ」
「ねえ、先輩?何で私に諦めてほしくないんですか?」
「や、あの…」
「ね、何でなのか私に教えてくださいよ」
 にやにやして袖を引けば、先輩は見たことないくらいに赤い顔をして不明瞭な呻き声を溢す。そして、慌てたように駆け出した。脈ありどころの騒ぎじゃないぞこれ。

1/28/2025, 3:45:36 AM