いつだったのだろうか。
街を壁で覆ってしまったのは。
僕は壁の内側の人間。
僕の父は偉い人みたいで
僕の周りを監視役の人が囲う。
それが嫌で僕は毎回監視役の人を撒く。
夢中で走ってるうちに
いつの間にか壁の近くまで来ていたみたいだ。
壁の外側の人が聞こえる。
「街へ、街へ行かせてくれ」
少し薄汚れた年は同じくらいの男だった。
不自然なくらい必死だったから
僕は声をかけた。
それが僕の,この国の未来を変えてしまうなんて
この時は誰もまだ知らなかった
─────『街へ』
1/28/2024, 11:10:30 PM