「優しさだけで、きっと」
私の夢は裁判官でした。
小さい頃にテレビドラマで見た裁判官はとても
かっこよかった。
悪い人から良い人を守る。
それが、小さい頃憧れるには充分な要素でした。
裁判官は皆、優しくて正義感があって、いつでも正しい。
そう、思っていました。
私は、気づけばもう32歳になっていました。
毎日なんの変哲もない日常、家、会社、社会。
子供はいません。妻もいません。家には私だけです。
毎日上司の顔色を伺っています。
毎日嫌々、印刷機の前に立っています。
社会の闇に触れ、ドロドロな人間関係、孤独、序列、差別、政治。
気づけば裁判官になるという立派な夢は、いつしか社会への希望とともに消えていました。
優しさだけで、きっと。
私はここしばらく、テレビなんて見ていません。
5/2/2026, 1:55:35 PM