どこにも行かないで
私を置いていかないで
想う貴方が恋しくて
貴方は「いつまでも一緒」だと言ってくれるけれど
私には、どうにもそれが信じきれない。
気が狂うほど好きだし、何よりも、他の何よりも信頼している貴方だけど、いや、だからこそその言葉を信じきれない。
そうだろうか、信じきれないという表現は間違っているのかもしれない。
私はどうにも怖いらしい。
信じて信じて信じて、その後に裏切られるのではないかという不安に。それは他者の死への恐怖と遜色ないほどだろう。いつ死ぬかも分からない、どう死ぬのかも分からない、苦しいのかも分からない、だが人は恐れる。確実に起こる死とは違うと思うものもいるだろうが、私にはその不確実がより怖い。むしろ死のほうが覚悟ができるとさえ思えてしまうほどだ。
私が好きになった貴方は何よりも自由であった。
己の限界などに縛られず本当にしたいことを見つけ、行動に移していた。不安定に揺らめくも決して消えない藍色の炎のような貴方を私は愛した。支えたいとも思った。
それなのに今の私はどうであろうか。支えるどころか貴方を届く範囲に留めてしまっている。好きだった揺らめく炎を囲い、守ったつもりであったのだろう。それが、きっかけというなの酸素を奪い、炎の勢いが増すことを止める行為であるにもかかわらず。
優しく私を守る彼の笑顔に息苦しさが見える。優しい彼はそれを見せていないつもりだし、今までの私には到底気づけなかっただろう。でも、考え直してしまったから。考え直せたから。
今考えると信じれなかったのも怖かったのも私が貴方を変えたからだったのかもしれない。
本当に好きな貴方をまた見たいから。
だから、わがままだけど
どこかに行って
貴方のいきたい貴方だけのどこかへ
6/22/2025, 1:19:03 PM