『僕と一緒に』
「僕と一緒に死んでくれないか」
「え、やだよ……だってアタシまだ冷蔵庫のプリン食べてないもん」
「いや、それは食べてからでいい」
「えっ本当? じゃあ……あ、でもアタシ今度の絵画コンクールの作品に命かけてるからなぁ」
「いや、その後でも全然大丈夫だから」
「ほんとー? じゃあ、飼ってる猫のミケ太郎がお嫁さん見つけて、その子猫を腕に抱きたいんだけど」
「それからでも大丈夫」
「……大人になってお互いがおじいちゃんとおばあちゃんになって、縁側で茶を啜りながら庭で孫が走り回るのを眺めるのは?」
「おばあちゃんが君で、おじいちゃんが僕なら問題ない」
「――それってプロポーズじゃない?」
「うん? 僕は最初からそう言ってるつもりだが?」
「紛らわしいんだよっ!!!」
―僕と一緒に墓に入ってくれ。そう言ったつもりだったんだが……?―
9/23/2025, 3:04:38 PM