お題 明日に向かって歩く、でも
登場人物
ももか
無迷(オリキャラロボット)
------------------------------
ガチャッ…
「ただいまぁー」
『おかえりなさい、ももか。』
機械的な声が私の声に返してくれた。
「無迷、今日も晩飯頼んじゃってごめんね?」
『いいですよ、ほら、座っててください。』
私は大体の日に無迷にご飯をお願いする。
本当は私が作るのが、社会に出て1年で疲れ始めてから
『私がやります。ももかは寝てください。』
と言って作り始めた。
最初は暖かい親子丼作ってくれたっけ。
「無迷は人間の食べ物、食べたことないのによく作れたね。」
って言ったら
『ももかが私に知識を入れてくれたんでしょう。』
とツッこまれたのは面白かった。
もうあれから4年か…。
無迷とは小4の時に来た。親戚の人が死んで要らないからと譲ってくれた。
『ももか、ご飯が冷めますよ。』
「あ、ごめん。頂きます。」
今日は親子丼。
変わらない味がする。
『ももか?』
「ん?どした?」
『何故泣いているのですか?』
「え」
自分の手元を見る。気がついてなかったけれど視界もぼやけて見える。
ぽたぽた
ああ、なんか情けない。
自分で考えても泣いてる理由がわからないなんて。
『………』
無迷にも呆れられたか。
涙が止まらない。
分からない。辛い。
無迷が席からたつ。部屋に戻るのかな。
変に冷静な頭を使う。
ギュッ…
締め付けられた?
「…ぅえ……ッッ……」
『泣いてください。溜め込まれると私が心配しすぎて不調になります。』
無迷なりの優しさに心が溶ける。
私は無迷の胸を借りた。
無迷は服を来ていないから流れた涙はそのまま下に伝っていく。
無迷の胸にうずくまっている間の私を撫でてくれた。
機械の手は冷たい。
でも、私にはカイロより暖かい手だ。
ありがとう無迷。
私は迷わず明日を向かえそうです。
1/20/2025, 1:59:17 PM