語り部シルヴァ

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『凍てつく星空』


部活に集中しすぎて太陽は
とうのとうに沈んでしまったようだ。
日中の熱もみんな忘れたようで寒い風が耳を凍らせる。
指先もヒリヒリと刺す痛みが伴い
ブレザーのポケットに手を突っ込む。

空は雲ひとつなくて綺麗な星空が広がる。
晴れてる日の方が寒く感じるのはなぜだろう。

なにか暖かいものが欲しい。
そろそろ手袋買うのもいいかもしれない。
近くのコンビニでホットレモンを買って必死に握りしめる。
さっきまで冷たかった指先が今度は火傷しそうだ。

寒かったり熱かったり...
指先が荒れてしまうのも無理は無いな。
温まった口から吐く息は白くなり、
それを見てるのが楽しくなってどんどん息を吐く。
酸欠で息を吸えば今度は冷たい空気が
肺いっぱいに溜まって寒空と一体化してしまいそうだ。

さっさと家に帰ってお風呂に入りたい...
凍るように冷えた足はどんどんペースをあげて
家へと向かった。

語り部シルヴァ

12/1/2025, 11:01:09 AM