うちの子供らは、どうも完璧主義傾向のようだ。
私から見ても「あらすごい」と本気で思うようなものごとを顕すことが多いのだが、本人達は満足していないときが多い…。上の子など納得せず首を捻っていたりする。目標イメージの姿・かたち・結果に追いつこうとしているのは甚だ素晴らしいのだが、「自分的に今一歩」と感じるときに、「ダメだ」と結論するのはもったいない感じがする。
すぐには届かないから何度もやってみる。そうするうちに、1回のチャレンジだけじゃ知り得ないことや掴み得ないことを獲得してゆく。松尾芭蕉が応援する蛙も、何度もチャレンジしていたようだ。
半世紀生きるうちに実感したことは多くないのだが、確かだと思えるものは幾つかある。そのうちのひとつは「人生はコケて立ち上がってなんぼ」というやつだ。
「コケずに」エリート街道に入った人も一時の職場に居たのだが、精神的な柔軟性や強靱さといった面で、見ている周りが心配してしまうことが多かった。アクシデントやトラブル、思いがけない展開の無い人生は、たぶん無い。子どものうちに、若いうちに、適切にコケると、「立ち上がれる自分」に気づく。その一つひとつが全て、自分自身への信頼になるのだ。「やだなぁ」と逃げるのも状況によって「有り」だろう。何らかの流れで、自分のなかの「やればできる子」が目を覚ますなら、それは紛れもない「生きるちから」だ。
年取ってから「コケる」のは、けっこうキツい。若い頃よりも、複雑化してくる状況がどうしても多いから、立ち上がるために必要な馬力はデカい。まあ、私も経験している。はっはっは…
でも、それでも、それでいいのだ。
どんな「コケっぷり」をしても、出来事の中に自分の資質を開くための縁を信じて、立ち上がるために淡々と、まっすぐ見据える。次のステップは手の届くところにちゃんとある。
4/4/2024, 5:17:00 PM