そこは『田舎』の畦道だった。
田舎なんて住んだこともなければ、旅行で行く機会もなく。車で通り過ぎることはあれど、その地を歩いたこともない。
そこに立つ自分自身があまりにも場違いで、すぐにこれは夢なのだと気がついた。
風も匂いも気温も、全てが曖昧な中で一歩踏み出す。ジャリッと鳴った舗装もされてない道は、小石を踏んだ感触が分からなくても新鮮だった。顔を上げれば空は晴れ。日差しも木陰に遮られていて心地よい温もりだけをなんとなく感じさせた。
居たこともない田舎の夢は、なぜか酷く哀愁を誘う。
向こうから小さな子が駆けて来る。赤い着物を着た、女の子。頭には大振りの花飾りが添えられていてとても可愛らしい。パタパタと揺れる大きい丸みのお袖が蝶々みたいで
まだ、夢をみていたい。
…眠たくなったので、今日はここまで。おやすみなさい
1/14/2024, 4:35:49 PM