2024/2/1
義理の父、良司が死んだ。
こんなに悲しいのに時間は止まってくれないし、ちょうどよく私と同じ感覚で悲しんでくれる人もいない。私にとって唯一無二の存在だったんだなぁといなくなってから、もう話せなくなってから痛感する。
つくづく自分は面倒臭いやつ。お悔やみ申し上げますと言われても悔やんでるのはこっちだよとか、大丈夫?と言われてもこれで大丈夫なふうに見えんのかよとか。
隠れてタバコを吸って、見られちゃったみたいな顔をする。こだわりのハンチングがトレードマークで少し面長の顔にとても似合ってた。ジャージの裾が靴下に噛んじゃってるの本当に可愛いかった。私の職場を気にして免許返納を渋ってた。たまにふらっと来て、ピザ食うか?とチラシ配り中に渡そうとする、いらねぇよバカ。虫だらけの野菜を「よくできたから」と45ℓのゴミ袋満杯に持ってくる、ほんと迷惑、でも美味しかった。白内障の目が美しく思えてじっと見つめたくなってしまう、良司がもう、目を開けない。
後悔は影に似ている、つかず離れず常にあり、一時、存在が薄れたとしても、必ず迫ってくる。あと何回こんな思いをしなくてはならないのか。明日はきっと晴れるとか、やまない雨はないとか、人はいつか死ぬものだとか、ほんとうるさい。しらねぇよ。勝手に死んでんじゃねぇよ、おとうさん。
2/1/2024, 2:56:35 AM