※習作、ある曲の二次創作です
眠りにつく前に
⸺ゴーン
“良い子は寝る時間”
「だよね」
「うん」
⸺ゴーン
「っていうか、なんで寝なきゃいけないの?」
立とうと力を入れた手が肩が緩む。そして、やれやれとでも言うように肩をわざとらしく竦めて。
「おばけに襲われないためじゃない?」
⸺ゴーン
ボフッ
「…った、なにす…」
開けた視界には縮こまり鼻を鳴らすその人。
口を開けることも、そっと手を伸ばすことも叶わない。
⸺ゴーン
最後の鐘が鳴り終わる。そうしたら…
「ねえ、おまじないかけてあげる」
「どんな?」
“ずっと2人でいれるように”
カチッ
ビュゥと風が吹き、カーテンが大きな音を立てる。
全開の窓の外には一つの影。
いつも届かなかった。伸ばせなかった。その手を⸺
◇
◇
◇
12時をとうに過ぎた夜中には似合わない、バタバタとした音が響き渡る。
彼らをよそに一つだけ仄かな明かりがもれた部屋。キィ…と開ければ、ちょうど整った寝具にまあるく光がさす。
その奥ではカーテンがそよそよと揺られるままに揺れていた。
⸺ I'm not adolescence anymore
11/2/2024, 6:18:02 PM