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※習作、ある曲の二次創作です




眠りにつく前に



⸺ゴーン


“良い子は寝る時間”

「だよね」
「うん」


⸺ゴーン


「っていうか、なんで寝なきゃいけないの?」

立とうと力を入れた手が肩が緩む。そして、やれやれとでも言うように肩をわざとらしく竦めて。

「おばけに襲われないためじゃない?」


⸺ゴーン


ボフッ

「…った、なにす…」

開けた視界には縮こまり鼻を鳴らすその人。
口を開けることも、そっと手を伸ばすことも叶わない。


⸺ゴーン


最後の鐘が鳴り終わる。そうしたら…

「ねえ、おまじないかけてあげる」
「どんな?」



  “ずっと2人でいれるように”
 
      カチッ



ビュゥと風が吹き、カーテンが大きな音を立てる。
全開の窓の外には一つの影。

いつも届かなかった。伸ばせなかった。その手を⸺











12時をとうに過ぎた夜中には似合わない、バタバタとした音が響き渡る。

彼らをよそに一つだけ仄かな明かりがもれた部屋。キィ…と開ければ、ちょうど整った寝具にまあるく光がさす。

その奥ではカーテンがそよそよと揺られるままに揺れていた。





     ⸺ I'm not adolescence anymore

11/2/2024, 6:18:02 PM