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僕はぬるい炭酸と無口な君が大嫌いだ。
ぬるい炭酸はせっかくの炭酸が台無しになるし、無口な君は僕が話しかけてあげたのに頷いたりするだけで僕の優しさが台無しになる。
でも炭酸は好きだ、体の中が喜ぶ美味しさ。
よく喋る君が大好きだった。暗い僕に優しく話しかけてくれた。
静かに目を閉じ、頭がおかしくなるような静かな部屋で横になる幼馴染。
変わってしまったのはどちらなのか、わからないほど2人とも変わっていた。
死んでいるのすらわからないほど美しい顔。
せっかく幼馴染の母親が持ってきてくれた、君と僕の大好きな炭酸は僕の大嫌いなぬるい炭酸に変わって氷が溶けて僕の記憶のように薄まっていた。

8/3/2025, 10:42:02 AM