古びた手記の一部から抜粋。

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遠い昔、深緑の板面に相合傘を描いた。
今でも思い出せる書き慣れた自分の名前と跡を残したくなくて薄く弱々しく書かれた相手の名前。

大好きです。叶いますように。と願ったあの日の傘は急いで消したのと同じようにあっという間に叶うことのなかった思い出になった。


今、また描くなら。
私は誰の名前を書くのだろう。



「相合傘」


6/19/2024, 11:06:13 AM