XXXX年X月12日
朝、拠点周囲の観察を行う。化物が通過した一帯に何か変化が起こっていないか確認するためだ。
巻き起こった風によって路面は随分と荒れていた。道路脇に立っていた標識や街路灯がなぎ倒されている。元々長く放棄され劣化していたためだろう、殆どが根本から折れてしまっていた。幸いにして道幅が広いため障害物を避けるのは容易いので、放っておいても移動に支障はなさそうだ。それらよりもショーウインドウのガラスが割れて散らばっていることの方が危険かもしれない。飾り棚から歩道に転がり落ちた山高帽や麦わら帽子にガラスが刺さっているのを見るとなんとも肝が冷える。あまり近づかないほうが良さそうだ。
8/12/2024, 7:11:29 AM