きらきらと、煌めく街並みを見下ろしながら、手にした缶コーヒーに口をつける。
「苦っ……」
缶に視線を向ければ、無糖の文字。あまり深く考えずに買ってしまったことを少しばかり後悔する。
今日は朝からついていない気がする。朝食の少し焦げたパン。目の前で赤に切り替わる信号。缶コーヒー。
そして、待ちぼうけ。
小さく溜息を吐く。街の明かりが煌びやかであるのと対照的に、気分は重く沈んでいる。
連絡はない。自分から連絡してみるべきかとも思うが、何となくそれも億劫だった。
「まぁ、イルミネーションは綺麗だしな」
自分に言い聞かせるように呟いて、街の明かりを見下ろした。
12/7/2025, 9:07:45 AM