銀時計

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『わぁ!』14/520
とある駅前のベンチ。日曜の午前だからか人が多く行き交っているのを、ぼんやりと見つめる。
あ、あそこにドッキリ大作戦決行中の子がいるなぁ…

「わぁ!えへへ、びっくりしたー?折角だから後ろから
驚かせてやろうと…あたっ!ちょ、スマホは痛いじゃん!?…う…遅刻の件はまことにゴメンナサイ…あ、ちょっと待って置いてかないでよー!…」

…甘。学生同士かなぁ。青春ってベリーみたいな甘酸っぱい味がするものだと思ってたけど、案外ミルクチョコみたいに甘さ100%かもしれない。知らんけど。
その味を知らずに大人の舌になったのは後悔だなぁ。

「わぁ!」
「ぅおっ」
灰色の思い出に苦い顔をしていると不意に背後から声がした。なぜかついでに左肩に強めのチョップが落ちた。
「容易に背後を許すなんてね、私がス○ンド持ってたら死んでたわよ?」
「どこのギャングのボスですかそれ…」
「空の雲はちぎれ飛んだことに気付k」
「もういいですよそれ」
「最近ノリ悪くない?体調でも悪いの?」
「社会人にもなってそのノリでいける方がアレかと」
「ウチの会社はフレッシュさが売りでしょう」
「今日休日ですけど」
「真の社会人はいかなる時も高い意識を持つのよ」
「意識してるならベクトルが真逆です、あとジ○ジョはフレッシュ路線じゃないですよ絶対」
「なッ…なにィーーーッ」
「最近ハマってるんですか?あとこれどうやって収拾つけるんです?一応『わぁ!』がテーマなんですけど」
「終わりがないのが終わり…これがゴールd」
「もういいです…」

ど う し て こ う な っ た

1/26/2025, 12:55:01 PM