明日にはいない人

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今日はどうしようか。マクドナルドにするか、すき家にするか、モスバーガーにするか、コンビニにするか。

そう考えながらそれぞれの店の前を通り過ぎていく。

優柔不断。そんな言葉が頭の中をよぎる。今日の晩ごはんどうしようか?みんなもこれぐらい悩んだことがあるだろう。

ものが飽和しているこの時代。何物にも代わりがあって数え切れないほどの選択肢が提示される。たくさんの選択肢からようやく選んだのに、、それから

「アレのほうが良かったかもな」

「やっぱりこれじゃなくてもいいな」

なんて思ってしまう。特に他人を見ていると強くそう思う。

隣の芝生は青く見える、なんて言われるが隣に移ったとしても結局また隣の芝生のほうが青く見えるのだ。

下らないことで悩んで、意味のないことに心を消耗させる。

友達が言った言葉が頭に残っている。

「それが普通だよ、なんて言わないで、みんな違って皆良いって言って。普通なんて誰も分からないんだから」

普通なんて誰もわからない。確かにそうだ。誰かがこれが普通ですなんて言ってくれるわけじゃない。何となく当たり前だと思ったことを普通だと信じてるだけだ。

ある偉人の「常識とは20歳までに集めた偏見のコレクションだ」という名言を思い出す。

普通も常識も本当はこの世界には無いのだ。けれど、私達は当たり前や常識にがんじがらめに縛られて生きている。一歩でもはみ出してしまえばお前は当たり前の事すらできないのかと怒られる。

暑い日差しにシャツで顔の汗をぬぐう。

空はこんなに青いのに、海の底にいるみたいに苦しい。

未だに今日の晩御飯は決まらない。今日の仕事も反省することだらけだ。

息がしずらい。

この世界はあまりにも生きづらい。

青い澄んだ空にため息を混ぜる。曖昧な心に呼応するように空の青色も朱色が差してきていた。

6/14/2024, 11:08:01 AM