小さな希望と大きな不安を持って出た旅路だった。
長年の夢が叶う嬉しさと、未開拓の宇宙(そら)へ踏み入る不安を胸に⋯⋯私達は飛び立つ。
広大な宇宙の旅は母星で習った事なんて殆ど役に立たず、手探りの毎日で⋯⋯辛いこともあったけど、それでも皆で力を合わせて何とかやっている。
沢山の惑星を見てきた。
それこそ木星のような重力の強い惑星だとか、地球に似た環境の惑星等。宇宙船から無人機を飛ばして調べて、降りれそうな場所には降り立って直接調査したこともある。
決して楽しいだけの旅路では無かった。けれど、苦しく辛いだけの道のりでも無い。
不安は今もこの胸に燻ぶっているけど、それと同じくらい―――これからの旅路に期待もしていた。
未開拓の銀河。数多の惑星。
それらを私達の手で記録し、母星に送る。
まるで地図を作るように、少しずつ⋯⋯でも正確に。どんな些細な事でも、記録していく。
遠く⋯⋯遠く⋯⋯遥かな宇宙(そら)で、未開の銀河の地図を作る。
幼い頃の夢の欠片と、現在遂行している大切な仕事。
楽しいばかりでは無くても、充実した日々に⋯⋯今日も感謝しながら眠りにつくのだった。
4/6/2025, 12:59:44 PM