るに

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またおうたね。
少し大きめのペットショップ。
犬猫はもちろん、
魚も売っていたので
いつかの思い出の中の
金魚を見つめていると、
あの時ぶつかってきた
狐に似た人がいた。
なんや、久しゅうなぁ。
あん時はほんますんません。
いえいえ、大丈夫ですよ。
律儀な人だなぁ。
随分前のことだし、
別に気にするようなことでも
無かった。
むしろ狐に似た人が
金魚すくいの金魚より
綺麗で見とれた思い出が強い。
それより…。
それよりあなたはどうしてここに?
しまった。
うっかり心の声が漏れた。
狐に似た人は少しキョトンとしてから、
あぁ、ここ近所やからねぇ、
ここよく来るんよ。
休日は人多くてかなわんけどねぇ。
ゆっくりとした
優しい話し声。
私もここよく来ます。
これも何かの縁だと思うのですが、
よければ今度お茶しませんか?
全く私は何を言っているんだ。
いくら綺麗な人だからって、
まぁでも、
1、2年くらい前に
たまたま出会っただけだから、
本当に縁かもしれないけれど。
ぱぁっと狐に似た人の顔が
笑顔になり、
ええの?
めっちゃ行きたいわぁ!
ペットショップの
魚が売ってあるコーナーで
名前も歳も知らない私たちは
連絡先を交換した。
"Good Midnight!"
思えばこの人に出会ったあの日から
1、2年ほど、
ふとこの人の事を思い出しては
金魚を見に来ていた。
何故かこの人は
狐に似ていて、
不思議な雰囲気を纏っていて、
とても綺麗だから。

1/14/2026, 4:01:17 PM