わをん

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『日差し』

荷を積ませたラクダが日を遮るもののない砂漠を進む。帽子から垂れる長い日除けは風になびき、砂混じりの乾いた風が刺すような日差しとともに肌にピシピシと吹き付けた。もう少しも経てば西に傾いた太陽は地平へ落ち、その頃には遠くに見える街にも着いて一息つけていることだろう。
オレンジ色の真っ直ぐな光が影を遠くに伸ばし、果てなく続く砂の山の複雑な砂紋と不思議な陰影を見せている。やがて薄暮の街に明かりがぽつぽつと灯り始め、急いた気持ちを察するかのようにラクダは歩みを速めていった。

7/3/2024, 5:57:04 AM