ニタニタした笑みを浮かべる
小太りの中年男性が風呂敷包を
テーブルにそっと置いた。
「こちら、ご要望のモノでございます」
白髪の老人は「うむ」と低い声で頷いた。
小太りの男は老人の顔色をうかがいながら、
風呂敷包をほどく。
桐箱が出てきた。
そっと桐箱を開けると、
光が溢れ出す。
老人は目を細めた。
「頭取、お主も善よのぉ」
「いやいや、総理には敵いませぬよ」
ガハハハと笑いが漏れる。
それは総理が国民の為に
法を犯してまで掻き集めた資金だった。
そんな夢を昨夜みました。
夢でした。
法を犯してまで
悪の道に進む人がいるのに、
法を犯してまで
善の道に進む人がいない。
君を探して
3/15/2025, 1:55:45 AM