1000年先も
「この星の人は長生きだよね。」
君はくすんだ空の下でポツリと呟いた。イソスタで知り合った彼女は、少し変わった人だ。
「私、この星とよく似た遠い星から来たんだよ。」
彼女はよくそう言っていた。冗談だと思って笑うと悲しそうな顔をするから、僕はいつも謝る。
そんな君は、100年とちょっとで呆気なく逝ってしまった。自殺とか、他殺とかじゃない。老いて死んだんだって。その時やっと、僕は君の言ってることがわかったんだ。
彼女の葬式は、1時間が10時間のように感じるほど重くて、足の感覚がなくなってしまった。シワシワの彼女は安らかに眠っていた。
1000年先、僕が死ぬ時、彼女にやっと追いつける。
その時まで、絶えず君を想うだろう。
2/3/2024, 12:26:49 PM