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彼と似た顔をしている小さな君は
コソコソ何をやってるの?

「ママはこっちに来ちゃダメだよ!」
なんて言いながら君は弱い力で私を押す。

「わかった,わかった」
そういう私に君は

「ぜったい、ぜったい来ちゃダメだから」
なんて必死に念を押してくる
そんな君を可愛いなと思いながら
椅子に座って君を待つ

隣の部屋にいるから声が少し聞こえるけど

「これをママにあげるんだよ?」
なんて彼の声が聞こえる。

「うん!!」
元気な君の声
「これママにあげたらね,おめでとうって言うの!!」

「あーぁ,聞こえてるよ」
と思いながら君を待つ

そっとドアが開いた。
「ママこっち来て!!」
君は私の手を引いて移動する。

「ママおめでとう!!」
彼も君も声を揃えてお祝いしてくれた。
祝ってくれることがわかっていても嬉しいと思った。

「やっぱり,聞こえてた?」
彼はそう聞いていたが
「なんの事?」
なんて何でもないフリをしてその時を楽しんだ。

なんの事でも
祝ってくれる人がいてくれるのって幸せだね





─────『何でもないフリ』

12/12/2022, 4:09:58 AM