暖かく清潔感のある部屋、陽の差し込む大きな窓
部屋に入る光とは裏腹に外は雪が積もり灰色の世界だ
まるで色が無くなったように静かで、澄んだ空気が心地いい
僕はそんな季節が好きだった……
灰色の空を見ると部屋の中の方が明るく感じて
僕の世界が色鮮やかに見える
ここから動けない脇役の僕もまるで主役のように感じられる
そんな季節が好きだった。
春のような暖かな彼女と話すようになってから僕は冬が嫌いになった、まるで世界が終わってしまいそうに暗くて静かだから
もうすぐ僕の世界は終わる
春になる前になくなってしまう……
だからせめて最期だけは僕と一緒にいて欲しい
なんて、わがままだろうか
今日彼女が来たら僕の最後のわがままを伝えよう
『世界の終わりに君と』
6/8/2024, 8:46:34 AM