たーくん。

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ようやく半袖と別れを告げ、長袖がちょうどよくなった十月中旬。
今年三度目の恋を、しようと思う。
春は告白する前にフラれ、夏は暑すぎて恋するのを諦め、そして今……秋!
今度こそ、恋人を作って高校生活を満喫してやるぞ!
「相変わらずバカなこと考えてるな~」
「なんだと!」
隣の席に座っている幼馴染みが、呆れた顔で俺を見ている。
「あんたを好きになる物好きなんて、この学校にはいないわよ」
「そんなの分からないだろ?学校中の女子に声をかけまくったら一人や二人見つかるはずだ」
「はぁ……ま、せいぜい頑張って。見つからないと思うけど」
やたら俺に何か言ってくる幼馴染み。
なんだかんだで、俺達は小さい頃からずっと一緒で長い付き合いだ。
幼馴染みのこいつは、俺のことを一番よく知っていると言ってもいいだろう。
……ま、こいつはこいつで恋を探しているだろうし、俺は俺の恋を探すことにするか。
机の上に両手を置き、枕代わりにしてうつ伏せになる。
こいつと話してたら色々と調子が狂うからな……。
俺は昼休みが終わるまで、寝ることにした。

10/9/2025, 10:09:56 PM