♯影絵 幽霊の正体見たり枯れ尾花。怖い怖いと思っていると、なんでもないものまで恐ろしいものに見えてしまう。 だから、これも――。 1DKのアパートの一室。つむじ辺りに焼きつくような視線を感じ、私はこわごわと頭上を見上げた。 人の形をした黒い影が、白い天井にうっすらと染みついている。火に巻かれ、もがき苦しんでいるようにも見えるその影画は、床に座り込んでいる私を無言で見下ろしていた。
4/19/2025, 11:48:48 PM