雨上がり
雨の日の学校はなんだか不思議な気持ちになる。
本の世界に飛び込んだような、非現実的な趣がある。
私はそれが嫌いじゃなかった。
雨の日だからみんな落ち込み気味かと言われたらそうでもない。
偏頭痛で体調が悪そうな人や、部活がなくなって喜んでる人たちもいる。
湿気でヘアメイクが上手くいかず嘆いてる人もいる。
雨の日だとこんなにも十人十色になるのかと驚嘆したりもする。
席が窓側だと雨音がよく聞こえる。
水溜まりのできたグラウンドに風で揺れる木。
窓から少し風が入り、少し震える。
外が気になり、教師の声が入ってこなかった。
駅まで歩くのに最悪だなんて思っていればあっという間に授業は終わってしまった。
放課後、クラスメイトと一緒に外へ出ると雨はすっかりやんでいた。
これじゃ傘ささなくても大丈夫そうだねと折りたたみ傘はリュックの中に留まった。
先程の天気とは一転し、水色の空が一面に広がった。
コンクリートは色濃くなり、土を含んだ道は少しぬかるんでいた。
水溜まりをジャンプでよけながら帰る日は幼い頃に戻ったような気がした。
何気ないクラスメイトとの帰路も雨上がりになるだけでほんの少し、特別な日になる。
6/1/2025, 4:07:45 PM