紫雨

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校庭に桜が咲いていた。皆、制服に身を包んで新たな出会いに期待と不安を抱いているような。そこで出会った君。
「あ、かっこいい。」顔が私のどタイプで、思わすわそう口走ってしまう。幸い君には気づかれてないけれど私は耳が赤くなった。
クラスの友達と楽しそうに喋る君の姿を私の瞳はずっと捉えていて、目が離せない「まじで、本当に顔"が"好きだわ。」
私はいつもそう言っていた。それは当たり前の事だった。
私は君と話したこともないのだ。それなのに本当の好意が芽生えるわけがない。友達は「それはもう恋だって〜」と私に何度も言ってくる。"そんなことない。"自分でもわかっているはずなのに、心臓がドクンと鳴った。
転機は三学期だった。
昼食を食べ終わり教室で本を読んでいた私に君は話しかけてきた。「ねぇ、何読んでるの?」ドクン。
何故この人はそんなくだらない事を聞いてくるのか。教えたらすぐにどこかに行ってしまった。2人だけの空間…ドクン。
それから君は私に何度も話しかけてくるようになった。
「ねぇねぇ。筆箱可愛いね。」ドクン
「頭いいですね!尊敬する〜」ドクン
「どうしたの?」 ドクン

話しかけられる度に心臓がうるさく鳴ってしまう。
これは、顔が好きなだけだから。本当に好きじゃないから。
好き…じゃないから、

3/25/2026, 5:46:54 PM