'25年3月26日 七色
おばあちゃんの家に行くとテーブルの上に蓋付きの木製の入れ物があってね。
その中にはいつもお菓子が入ってたの。
お煎餅だったり、かりんとうだったり、謎の和風クッキーとか。
その入れ物の横には七色のドロップが入った小さな缶。
そんなに飴を食べたくなくても、おみくじのように缶を振って何味が出てくるのか、やってみたくなるんだよね。
おばあちゃんからは「おもちゃじゃないんだから出したら食べないといけないよ」と言われてるから好きな味が出て欲しい。
イチゴやオレンジもいいけど一番好きだったのは何色っていうんだろ、透明なのがあったよね。
それが出るのを祈りながら逆さにして缶を振る。
でも出てきたのは透明じゃなくて真っ白な飴。
うわーハッカだよ。
スースーして美味しくないんだよなぁ。
おばあちゃんの顔をチラッと見ても首を横に振るだけ。
そんな時はおじいちゃんに泣きつくといつも食べてくれるから、優しいなぁと思ってたの。
でも後で聞くとおじいちゃんは本当にハッカ味が好きだったみたい。
私には白が大凶だとしても、おじいちゃんにとっては大吉だったなんて、不思議だね。
3/26/2025, 2:06:47 PM