水たまりにうつる空踏みならされた舗道のすみにひっそりとひろがる 小さな鏡ひとしずくの雨が 世界をつつみ空はそこで もう一度 生まれた雲はゆるやかに泳ぎ風のささやきも 波紋となるほんとうの空より 近くにあってけれど 触れれば すぐに消えるかがんで覗いたその青はいつかの夢に 似ていた気がした誰にも気づかれず 誰かを映す水たまりにうつる空は 今日も 静かに 問いかける——君の中に 空はあるか、と
6/5/2025, 3:09:40 PM