nanagraph

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「あなたとわたし」

これを読んでくださっているあなた。

私はあなたを知らないし、あなたも私を知らない。私が知っていることといえば、多分あなたは人間で、多分生きている人だということぐらいだ。

でもふと思う。
それって本当か?

では、あなたのあの素晴らしい文章は、誰が書いたのか?そう、「AI」だ。AIが書いたものではないと、誰が否定できるだろうか。

AI技術は目覚ましい進歩を遂げている。もはやアメリカ(だったっけ?)では、人事考査をAIが行なって訴訟になったり、AIが従業員に解雇通知を出したりしているのだ。

「○○年後、AIに取って代わられる仕事」リストを見て、自分の仕事は大丈夫と安心したり、逆にリストに載っていてやばいと思ったりしたことがあると思う。ちなみに私の仕事は、このやばい組だ。

今やAIによるチャットbotで、会話が普通にできるらしいし、AIが書いた小説が、星新一賞の第一選考に残るくらいのレベルにはなっているのだ。私の書く、なんの取り柄もない文章なんて、お茶の子サイサイなのかもしれない。

私には「えっ?このお題、マジ?」と思うことが、かなりの確率である。毎日頑張ろうという目標は、忘却の彼方に追いやられ、代わりに「書けへん時は、無理せんと書かんとこ」というマイルールに変わってから、「今日も書けへんかった」という自己嫌悪みたいな負の感情が少し減った。それはそれで、よかったのだが、AIだったら、きっとこんな心配も不要なのだろう。

また、「もっと読みたい」を押してくれる方がいて、「どこのどなたか存じませんが、ありがとうございます」と思うのだが、それもAIが機械的に判断してるとしたら、それでもありがたく思うだろうか。

もちろん今私は、あなたを人間だと思っている。でもそう遠くない将来、そういう世界になっていても不思議ではないかも。

ちなみに私はbotではありませんと言っておく。

11/7/2022, 4:59:56 PM