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"'お金より大事なもの"

すうっと意識が頭の中に戻ってくる

瞼を微かに開けば、カーテンの隙間から溢れ出る光は街灯から朝日に変わっていた


昨日の夜は数ヶ月の間近くの本屋だのネットだのフリマだのを探し回ってようやく手に入れた小説を読んでいた

面白そうだとは思っていたけれど、とにかく好みに突き刺さり後1ページ、後1ページとページを繰る手が止まらずそのまま眠りこけてしまったらしい。


ゆるゆると上体を起こし、枕横にある添い寝していた本を取り上げて折り目がついてしまっていないか確認する。

どこまで読んだか、どんな展開だったかを余韻のように思い出しながらパラパラと親指で弾き、最後に表紙を確認する

どうやら無事なようで、ほっと胸を撫で下ろしてベッド横にある机に置き直す


未だ体に乗っている布団を捲り上げ、行儀良く足を降ろす。冷たい空気が急速に体温を奪い始め、早々に暖かい布団に包まりたい気持ちに襲われる。


顔を歪めてなんとか立ち上がり、両手をカーテンにかける

ガバッと素早い速度で開けてみれば、美しい薄い青に燦々とこちらを照りつける太陽がそこにいた。
薄く羽のように伸びた雲と、飛行機雲まで空を飾っている

呆っとそれを眺めて、くしゃみをした

3/8/2026, 4:17:25 PM